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先義後利
20260504 vol.71 10WILL代表 丹原 毎週月曜日中にブログを掲載
先日、イランのホルムズ海峡を『出光丸』が通過したと報道がありました。イラン大使館は、『日昇丸』(出光興産)の恩を忘れないと言って通過を
個別に認めたと伝えていました。1951年イギリスの影響下にあったイランは、石油の国有化を宣言しこれに反発したイギリスは中東に軍艦を派遣、イ
ランに買付に来たタンカーは撃沈すると国際社会に表明しました。これにより、イランは石油を輸出することが出来ず困窮したのですが、この時に、
日本政府ではなく、出光興産の社長出光佐三が、国際法上の正当性は無いと判断して、極秘裏にタンカー日昇丸を派遣しました。この時、窮地に立つ
イランはこの日昇丸の行為を今でも忘れずにいるということが今回報じられていました。一歩間違えれば、撃沈される可能性もある中、用意周到に事
を運びやり遂げた出光社長の胆力には驚かされます。その後、石油メジャーから訴えられるも勝訴で終わりました。今では考えられない『義』を重ん
じた商い(ビジネス)が、紛れもなくそこにありました。その話を聴いて思い出しましたのが、江戸時代の1800年代に「大塩平八郎の乱」が起こり、
その際に、「奸商(かんしょう)豪商を打て!」と決起の檄文で呼びかけました。その時に、大塩が「大丸屋(現・大丸)は義商なり」と称して、
襲撃・焼き討ちの対象から外しました。大丸は、飢饉の最中に苦しむ民に米を配っていたので、大塩平八郎から認められていたようです。
私が、営業マン時代に、大丸の課長さんと名刺交換した際に「義商」の話をすると、「知っておられたんですね」と非常に喜んでおられ、胸を張られ
ました。二百何十年経っても、社員にこのことが刻まれていることが素晴らしいと思いますし、これこそがまさに企業理念である『先義後利』の精神
だと思います。近江の商人にも通じる考え方で、『利他の精神』です。最近、この日本人が大切してきた精神を聴く機会が減り、先利後義いや、先利
のみが流れる風潮に少し悲しく思います。商売(ビジネス)に留まらず、日本人として大切したいものです。

