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先を見た自制心
20250512 vol.20  10WILL代表 丹原  今年は、毎週月曜日にブログを掲載して参ります。


親友に介護福祉士がいます。彼曰く、「他人の介護は出来ても、親の介護は難しい」と、常々言っていました。

キャリアコンサルタントも、多重関係の関わりはよろしくないと言われているのと同じで、共感よりも同感、もしくはどうしても私情が先に立ち、

「わがまま」になってしまうのでしょう。特に年を取ると、自制が段々と効かなくなり我欲に支配される。理性が後退する、イメージ? 

理性が後退するから判断が鈍くなる … だから、本人が気づかないうちに、周りを振り回してしまう…特に、親族では起こりがちと親友が嘆いていま

した。

私ももうれっきとした高齢者の年齢に差し掛かり、高齢者という自覚がない分、これから質の悪いお年寄りにならないようどうすればいいか日々考え

ますが、やはり常に言動に対して自問自答して、自覚することが大切と思います。いわゆる、「中庸」で、自身で物事(事象)を捉えるだけではなく

常に相手の立場に立った物事の見方や気持ちを考える習慣がないと、残念ながら「老化」は進んでいき、「わがまま」な人へと後退していくように感

じます。そうすると、視野は狭くなり、自分勝手な言動が目につき、気づくと周りの人たちが離れていく。そして自身の殻にこもり、「孤独」な毎日

を過ごすことになってしまう。挙句の果てに、周りの人間は碌な奴がいないと…

でも、はたと考えると、お年寄りに限ったことではなく、老若男女全般に当てはまるのではと、最近テレビのニュースを見ていても感じる事件や事故

が増えたように思います。自分の世界観で物事を捉えて、独善的で身勝手な事件がほぼ毎日発生しているのでは?


ちょっと俯瞰的に物事を捉えてみますと、団塊の世代(1947年から1949年にかけて生まれた、戦後のベビーブームに生まれた世代)が、第一

線から離れて、約15年以上が経ち、日本の人口の3割が65歳以上となりました。また、団塊の世代の子供たち(団塊ジュニア)は、残念ながら

就職氷河期世代(1973年から1982年)で、正社員や非正規など個人差の大きな状況が生まれて、年金問題や健康保険など社会保障の基盤が崩

れかけています。団塊の世代が、戦後日本の復興に大きく貢献して経済を支えてきたわけで、社会保障もそれによって守られてきました。

その支えてきた団塊の世代が、高齢者となり今度は私たちの老後をみてくれよと振り返ると、支える人たちが漸弱な経済状態の人たちが多く、また支

える若者自体が年々減少していっている状況にあるのが現実です。

だから、給与に占める社会保険料の割合が増加していっているのも事実で、特に「自分たちの時代には、年金など受け取れない」と思う若者が多く、

結婚やマイホーム・自動車の購入などに夢を持たないと聞くことが多くなりました。

これは、とても悲しいことで、若者に夢や希望を与えることのできない世界に、「幸せ」があろうはずがなく、もっと私も含めた高齢者が、若者の起

こす事象(振込詐欺・いただき女子・殺人事件など)だけを捉えて考えるのではなく、まさに「中庸」で、若者の今の状況を鑑みて、何か出来ること

はないかと考えたいものです。

特に、日本の発展のために知恵を注いて支えてきた高齢者が今こそ、若者の立場に立って考え行動すれば、そこに化学反応が起こり新たなものが生ま

れて、若者に活力を与えることが出来ることでしょう自身の捉える世界で、ただ自身が思う楽しいこと(煩悩)に目を向けていることが、果たして

「幸せ」だと思っているのであれば、それこそ「天賦の才」を最期に活かさずに、一花咲かして死んでいくことが出来ないのはもったいない限りです

私は、老若男女多くの方の相談・お話を聴くにつれ、誰もがそれぞれが、素晴らしい「天賦の才」をお持ちであることを知り、自身の人生の肥やしと

させていただきました。だから、せめて周りの人が笑顔になるお手伝いをみんなで、出来ればと考える毎日です。


「生を得るは、事を成すにあり」 自身の煩悩を満たすためではなく、世のため、人のために。