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講師の気づき
20250825 vol.35 10WILL代表 丹原 今年は、毎週月曜日にブログを掲載して参ります。
キャリアコンサルタント受験生の実技面接対策の講座を開設して、早三年近くが経とうとしています。それなりの成果もあり、受験生の方には喜んで
いただき、合格後も共に学びたいという素晴らしい方々が同志となっていただき大変光栄です。
ただ、少し気になるのが自身の教え方についてです。
試験対策ということで、当然様々な有資格者の方が教えておられますが、どなたも試験についての手元のことに注視したお話が中心で、どちらかとい
うと私はそういった近視眼的な観点には、正直関心がありませんでした。それは、「キャリア相談」とう現実の現場で、本当に相談者の役に立つ関わ
りが出来るかが個人的な関心事だったからです。5年前に公的な機関で、実際に相談者と関わり、「本物」に触れる機会があり、失敗と成功を実体験
して、また他のキャリアコンサルタントの方々も観察させていただきました。
やはり机上論では通用しないことが多々あります。最初は、実技面接の試験の15分の関わりで合格したからといってどうなのか?と正直疑問を抱いて
いたのも事実です。ですが、実際に関わってみると、この養成講座や実技面接試験を受けるにあたり学んだことは、非常に重要であることを実践で
何度も気づく機会を与えていただきました。
最初の15分(15分とは限っておりませんが…)で、相談者から信用されないと人は心を開いてくれず、本当のことは語ってくれません。
それは、本気で相談者のモヤモヤや相談事を聴く「傾聴」の姿勢がすべてだとわかりました。主役はあくまでも相談者なのですが、それがわかってい
るようで、わかっていない人がなんと多いことか。試験に合格して国家資格を取得した瞬間に、そんなことは忘れてしまったり、もしかして試験です
らわからずに、たまたま相談者と相性的に上手くいって合格したりする人も中にはおられることでしょう。
でも一番大切なのは、自身の思い込みや決めつけなどを捨てて、「無」になって相談者に接することが出来るかが重要です。
だからこそ、この経験値(暗黙知)から得たキャリアコンサルティング(キャリア相談)の本質を、受験生に伝えたという思いで始めた授業、そして
その本質を腹落ちした合格者の人には、この素晴らしい資格を十二分に発揮して、世のため、人のために活かしていただきたいと考えていたわけです
が、最近最初の思いから少しづつ、ずれてきたように感じ始めました。
もちろん、経験してきたことだけでは、人はなかなか自身の経験ではないので、やはりそれを形式知(体系づけた理論)に置き換える必要があると
思います。だから、それにより私自身も「キャリアコンサルティング(キャリア相談)」の理解を深めることに役立ち、段々腹落ちしてきて、まさに
真理を探究する毎日で、「生と死を超越した思考が宿る」思いに馳せました。
ところが、現場を離れていますが多少は現在もキャリア相談をいたしますが、最近は圧倒的に机上の理論的な思考が中心になってきていて、つい先日
も共に受験生対策をしていただいておりますDさんに講座を受験生とともに視聴していただきましたが、感想が「内容が難しくなりましたね」と痛い
ところをつかれました。どうしても論理的な思考で物事を伝達しようとする意識が高まり過ぎると、現場で感じ取った思いや気が薄れて心に残らなく
なってきているように感じました。
だから、私のキャリアコンサルタントへの思いや、キャリアコンサルティングの必要性についてといった思いよりも、とりあえず受験生に理解しても
らうことに走って、本質が腹落ちしていないように感じました。
いわゆる熱量の減少です。
それでは、今後合格率よりも、合格した後に10WILLに共に活動したいという仲間が増えないなと悟りました。
キャリアコンサルティングは、客観視と受容と共感の中庸が求められると同様、理論・考えと共に、理念や思いをそこに乗せてこそバランスのいい
中庸が生まれるのだと思って、日々精進したいと思います。いやー難しいです💦
メンバーのある方が、後輩に仕事についてマニュアル通りに指導できたとしても、なかなか本物にはならないというお話を聴きました。
では、それ以外に大切なことはと聴くと、「熱量です!」と答えられました。
同じ言葉で伝えたとしても、そこに魂が宿った思いのある「言い方」でないと、人の心には響かないと…
これが私に最近、欠けていたことだと気づかせてくれました。
言霊……言葉に魂を宿らせるには、エネルギーが必要です!年寄りになっている暇はないなあ(笑)